家ではちょっとやらないお店ならではのあったか鍋5選【2】
県外にもファン多数! 〈明太子×とろろ〉の鍋がもたらす新体験
店舗より提供
かつて、これほど辛子明太子をうまく扱った鍋があったでしょうか? それが“元祖”の冠にふさわしい「主海」の名物、「元祖 博多 めんたいとろろ鍋」(1人前1,850円/注文2人前~)です。
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春吉橋の近くで客を迎える「主海」は、飾らない雰囲気も魅力の和食・割烹店。連日の歓談を彩る料理には、厳しい目利きを経た食材がふんだんに使われます。とくに毎朝長浜で仕入れる鮮魚への思いは強く、満足いく素材がない日は定番メニューでも欠品にするとか。
そうしたこだわりは、メニューの大半を占める創作料理にも及びます。「日本伝統の技法に新たな要素を加え、お客様と感動を共有できる料理を作る。それがこの店のコンセプトの一つです」と、人好きのする笑顔で話す塩浜康太さん。そんな店主の冒険心は“そそる料理”をいくつも生んでおり、「土鍋トリュフ釜飯」(2,100円)や「和牛とフォアグラの西京焼き最中」(880円)などは、その名前だけで「これ絶対ウマいヤツ!」と色めきたってしまいました(笑)。
個人的にツボだったのは、数量限定の「蒸し香箱ガニ」(2,600円)。2杯の北海道産子持ちカニを、蒸した後に手作業で解体し、外子・内子・身の3層で成型し直した労作です。これを箸でザクザク混ぜると、ふっくらした身とゴロッ!とした卵の食感が陶酔もののカオスを醸成。贅沢な風味に酒量が加速する、ある意味危険極まりないアテでした。
こうなると、当然この鍋への期待も高まります。具材は豚バラ、豚ロース、葉野菜、豆腐、キノコ、ネギに加え、味の肝となる明太とろろが別皿で登場。「明太子をそのまま鍋に入れると、どうしても沈澱してしまうのが難題でした」と塩浜さん。しかし試しにとろろと合わせてみたら、これが大成功。さらに全体のバランスを繊細に調整し、完成までに1年を費やしたそうです。
さて、これは一体どのように食すのか。「最初に、ある程度具材が煮たった鍋をお持ちします。その上に明太とろろをかけて、全体を軽くかき混ぜて召しあがってください」と実演してくれました。「とろろは直前によく撹拌し、空気をたっぷり含ませるのがコツですよ」。とろろを混ぜて出汁が白濁したら、これでもうスタンバイはOK! せっかちな僕にはありがたいスピード感です。
器に取りわけ、さらに好みで“追い明太”を少々。そうして口に運ぶと、良い意味で予想を裏切る味わいが待ち受けていました。とろろと融合した明太子は辛さと塩気が抑えられ、食欲を促す絶妙なスパイスへと変貌。まろやかな辛味とトロみが具材を包み、滑らかに喉を滑り落ちていきます。なるほど、これは過去に類を見ない鍋体験。明太マニアならずともニヤリとすることでしょう。
そんな美味しさを支えるのは、やはり滋味なスープ。丁寧に取った和出汁と店で炊く鶏ガラスープが見事に調和し、満足感をもたらすコクと、“和食”にふさわしい気品をこの鍋に与えているのです。
そうした感慨は、締めの「明太クリームリゾット」(550円)で完璧なものとなりました。具材の旨味が染みでたスープに、米、チーズ、生クリームと明太とろろを追加投入。仕上げにブラックペッパーと刻み海苔をかければ、ヤミツキと呼ぶほかない風味絶佳の完成です。
「これがもつ鍋や水炊きに続く、博多の“第三の鍋”になれば嬉しいですね」と夢を語る塩浜さん。事実、メディアで取り上げられたことで県外人気も高く、わざわざ遠方から訪れるファンも多いとか。その気持ち、今なら僕も分かります。それだけの価値ある引力が「元祖 博多 明太とろろ鍋」には満ちていたのですから。
なおこの鍋は公式サイトなどで「お取り寄せ」でき、時には数ヶ月の待ちが出るほどの人気商品。でも事前に予約すれば店頭受取もできるので、気の利いたお土産やお歳暮に良し、うまい鍋を自宅でつつきたいときにも良しですよ。2〜3人前3,300円、4〜5人前5,500円。
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店舗名
主海(すかい)(店舗写真)
ジャンル
- 居酒屋
住所
福岡市中央区春吉3-12-23 春吉ビル1F
電話番号
営業時間
17:30~OS24:00
定休日
水曜
席数
- カウンター11席
- 掘りごたつ12席
個室
なし
メニュー
博多ごま鯖1,300円、煮穴子寿司850円(2貫)、和牛藁焼き2,200円、名物いかしゅうまい530円(4個)
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
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