福岡の絶品“冷やしラーメン”コレクション2023夏【3】

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最終更新日

ライター上村敏行

カメラマン上村敏行

大名/荒江

土竜が俺を呼んでいる/ラーメン屋 游

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今夏、“絶対に!”食べておきたい、福岡の「冷やしラーメン」を紹介するシリーズ最終回は、大名「土竜が俺を呼んでいる」、荒江「ラーメン屋 游」を紹介します。“冷製スープを張る汁ありタイプ”であることはこれまでとの共通テーマですが、今回の2つの冷やしラーメンは「例年、これが出るのを待ち望んでいる」熱烈なファンが多い、両店の“夏の顔”的なメニュー。キーワードは“桃”、そして“キンキンのキン”(!?)。
早速いってみましょう。

土竜が俺を呼んでいる(大名)

“ラーメンもうまい焼酎バー”として深夜まで客の波が途切れない「土竜が俺を呼んでいる」(略称モグオレ)。その屋号、おでん風の煮ダイコンがのる定番の豚骨ラーメンもユニークなだけに“冷やし”においてもやはり超個性派。とんがっています。

土竜が俺を呼んでいる外観

先の6月限定で販売した、焼酎を冷製和風スープで割り、食べると酔っぱらうという「20禁冷製ラーメン」でも度肝を抜かれました。そして、同メニューと入れ替わる形で登場したのが、毎夏大好評を博している「冷やしトマトラーメン桃のせ」(880円)です。

土竜が俺を呼んでいる「冷やしトマトラーメン桃のせ」

イタリアンなどで、桃の冷製パスタは見かけますが、桃をのせた冷製ラーメンは珍しいですよね。「モグオレ」店主の権藤将宏さんも、桃のパスタをヒントに「ラーメンにしてもうまいんじゃ!?」という思いつきで、約7年前に創作したといいます。冷製スープはコンソメ系をベースにしていて、トマト、タマネギ、バジルの甘味、酸味、ほろ苦さが溶け合ったもの。ホイップクリームでまろやかさも添えてあります。それに加え、厚めに切られた桃にかぶりつくとフレッシュな果汁がジュワリ。
このように、味の大枠は“洋風”であるのですが、さらなるポイントを2つ述べておきます。まずは「麺」。合わせてあるのは当然、パスタでなくラーメンの麺です。それも、豚骨ラーメン用の細ストレート。定番のラーメンより長めに茹でて、氷水でギュッとしめた麺は“バリかた”とはまた異なる、心地よい歯応えがあります。冷製スープをまとった麺が口に飛び込んでくる“軽やかな啜り心地”がいいですね。パスタLikeなメニューなのでフォークで音を立てず食べたくもなりますが、ぜひズバズバといつものラーメンのように啜ってください。

土竜が俺を呼んでいる 締めのリゾット

そしてもう一つ。これは特に興味深いと思ったのですが、冷製ラーメンの締めに“熱々の”リゾット(➕500円)も楽しめること。スープの残った丼を一度厨房に引き、豚骨スープ、ご飯、チーズなどを加えて作るのですが、この“冷”から“温”の変化がおもしろいですね。一度冷えた体に、熱々の洋風リゾットが染み渡り結果、大満足!となる仕掛けなんです。

「冷やしトマトラーメン桃のせ」は桃が入荷できる時期は続けるとのことで、その後は、これまた例年人気の「冷やし醤油ラーメン 納豆のせ」(880円)がお目見えします。

そのほか定番であるラーメンの中でも「梅塩とんこつ」(820円)は、さっぱり味で夏場に人気が急増するメニューです。

ラーメン屋 游(荒江)

「福岡の絶品“冷やしラーメン”コレクション」のラストを飾るのは「ラーメン屋 游」です。僕の知り合いのラーメン好きの間でも「あの“冷やし”はうますぎる!」と毎夏話題となる名作。何が素晴らしいかというと、絶妙の“ニボ感”と、特にキンキンに冷えた“清涼感”でしょう。とても丁寧な手仕事を感じる冷やしラーメンです。

ラーメン屋 游「冷やしラーメン白」

「游」といえば濃度の高いポタージュ系の豚骨ラーメンが有名ですが、冷やしのスープのベースは煮干しと昆布です。
「約8年前、夏の目玉になるメニューをあれこれ考えていた時、テレビで山形県に根付いている冷やしラーメンを見たのが開発のきっかけです。当時福岡では冷たいスープを張った冷製ラーメンはあまりなかったので、これはおもしろい! と自分なりに作り始めました」と振り返る店主の平山雄一さん。いろいろな素材で冷製スープを試してみた末、平山さんが行き着いたのは“煮干し”でした。

「僕自身、煮干しスープが大好きで取り入れたのですが、“ビターなニボ感”は少し苦手なので極力ピュアな感じに」と、煮干しらしさはしっかり残しながらも、えぐみ、くさみは出さないよう注意しながら、水出し、火入れをしていると平山さんは言います。
淡麗スープを飲んだ瞬間、皆さんもきっと感じると思いますが、この冷やしラーメン、本当にバリうま。煮干し、昆布の和風素材が幾重にも織りなす奥深い旨味、塩気もちょうどいい塩梅で、レンゲですくう手が止まらなくなりますね。そして、具材で存在感を放つ分厚いチャーシューが肉肉しくも、余分な脂を削ぎ落としているのでさっぱり。スープと相性が良く、これまたうまいです。

「そんなに特別なことはしていないですよ」と平山さんは謙虚に話しますが、例えば、ラーメン用とは別に、冷やし専用の麺を店内の製麺機で毎朝作り、ツルシコ感が際立つ打ち立てを出す。さらには、麺を流水、氷水と2段構えでしめるだけではなく、よりキンキンで出したいとの思いから、丼ぶり、タレを注ぐレードルまで、氷水に、とっぷりと漬けておく徹底ぶりです。

ラーメン屋 游自家製麺

冷やしラーメンを注文すると、カラン、カランと、氷水で麺をしめる時の音が店内に響いて食べる前から涼しい気分になります。

ラーメン屋 游「冷やしラーメン黒」

「冷やしラーメン」は、薄口醤油ベースのタレの「白」と、濃口醤油とブレンドした「黒」(上写真、各850円)があり、基本は「白」を販売。“冷やしラーメンのみ”にメニューを絞る、水曜、日曜のみ2つから選ぶことができます。
9月末ぐらいまでは販売するそうなので、ぜひお試しあれ!

“冷やしラーメン”コレクション2023夏【1】はこちら
“冷やしラーメン”コレクション2023夏【2】はこちら

ラーメン屋 游メニュー表1
ラーメン屋 游メニュ表2

店舗名

土竜が俺を呼んでいる(店舗写真

ジャンル

  • 居酒屋
  • ラーメン

住所

福岡市中央区大名1-9-18

電話番号

092-716-3388

営業時間

19:00〜OS翌2:00(日曜、祝日は〜OS24:00)

定休日

不定

席数

  • カウンター6席
  • テーブル8席
  • 小上がり4席

個室

なし

メニュー

もぐ俺ラーメン730円、肉ラーメン880円、梅塩とんこつ820円、替え玉110円、鉄板焼おにぎり330円、とんこつ風味のトロフワ玉子400円、おつまみチャーシュー650円、ピリ辛そぼろもやし300円、鉄板焼きおにぎり330円、冷やしトマトラーメン桃のせ880円(夏季)

喫煙について

店舗内喫煙可

店舗名

ラーメン屋 游(店舗写真

ジャンル

  • ラーメン

電話番号

なし

営業時間

11:30〜14:30/18:00〜21:00(水・日曜は昼のみ営業)

定休日

木曜

席数

  • カウンター7席

個室

なし

メニュー

ラーメン700円、チャーシューメン900円、醤油豚骨900円、醤油ラーメン850円、豚ソバ850円、冷やしラーメン黒・白 各850円、冷やし中華900円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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  • ※OSはオーダーストップの略です。
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