私、この店、大好きなんです【21】
シンプルで力強いイタリアの食堂料理
公開日
ライター
カメラマン松隈直樹

渡辺通
Fridge(フリッジ)
松隈直樹
写真家。旅や食等、エディトリアルを中心に国内外で活躍。おもな出版物として「英国ファンタジーをめぐるロンドン散歩」(小学館)「あたらしい九州旅行」(WAVE出版)など。[Instagram]naoking227
福岡市在住の食べることが大好きな50人が、自分が愛してやまない店について書いている書籍「私、この店、大好きなんです。 3」(聞平堂発行)からとっておきの1軒を転載しています。掲載している料理や店舗内容は、書籍掲載時のものです。
いつの頃からか、食堂料理が好きになった。仕事柄、全国(ときどき海外)あちこちに行く事が多い。その時の楽しみといったら、地元の人々で賑わう食堂に行く事。耳慣れない方言が聞こえてきたり、珍しいメニューや食材と出合えたり、地元らしさが感じられる店が好ましい。店主に、「これは、生まれ故郷の郷土料理なんです」とか、「この地方だけで作られている野菜を使ってます」なんて言われると、「やったー」と思う。
ここ「フリッジ」は店の雰囲気こそ違え、出てくる料理はイタリアの食堂料理そのものだ。オーナーシェフの佐藤元紀さんにイタリア料理の魅力を尋ねると、「シンプルで力強い」と即答した。それは、そのまま「フリッジ」の料理。現地の人々に代々作り継がれてきた料理が食べられる、私にとってはイタリアの食堂そのものだ。

佐藤さんは食材を大切にする。力強い食材があってこそ、「フリッジ」の料理はあると言っても過言ではない。しかし、豪快な仕事ぶりを想像していると、カウンター越しに眺める調理風景は、意外に繊細。幾度も火加減を調整したり、フライパンを揺らしたり、愛おしそうに一皿が出来上がるのだ。
そんな料理を食べながら、その料理が作り継がれているイタリアの地方や、食材やその作り手の話を聞くのが楽しくて、ワインが進む。ちなみに、「鶏とタマゴのカルピオーネ」はピエモンテの料理で、マリネされた鶏の胸肉はしっとり柔らかい。また、「肉団子のパスタ」は、宗像の放牧場で育てているタロ豚の大きな肉団子がわんぱくな一皿だ。

コロナ禍以降、営業時間が変わり、土日は14時開店になった。夜遅くにしっかり食べると、翌朝が辛くなってきた初老食いしん坊にとっては、これで「フリッジ」がいっそう好きになった。
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店舗名
Fridge(フリッジ)(店舗写真)
ジャンル
- イタリア料理
住所
福岡市中央区渡辺通5-8-5エクセル天神1F
電話番号
営業時間
16:00〜21:00(土・日曜は14:00〜21:00)※最終入店19:00
定休日
月曜
席数
- テーブル12席
個室
なし
メニュー
BON DA BONのペルシュウ2,750円、ズッキーニとパルミジャーノのサラダ1,320円、トマトのオムレツ1,430円、イワシのマリネ1,760円、レモンクリームのパスタ2,640円、あか牛リブ炭火焼き6,820円、グラスワイン1,100円〜、ボトルワイン7,150円〜 ※サービス料1人1,000円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
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