






〈Made in KYUSHU 物語〉できたてめんたいと釜炊きご飯。究極の博多ランチ見つけました
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グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第17回】
公開日
ライター葉山巧
カメラマン平川雄一朗
以前食べたランチが素晴らしく、「いつか必ずディナーにも!」と誓っていた「Seigou 610」。再訪は1年後となりましたが、あの優しい味と澄んだ余韻を忘れたことはありません。そんな印象深いフレンチを、ついに12品のディナーコース(11,000円)で堪能することができました。
結論から書きましょう。それは心と体にとても効く、癒しに満ちた体験でした。
「神戸北野ホテル」や広尾「マノワ」などで研鑽した、武藤聖郷さんがオーナーシェフを務める「Seigou 610」は2020年7月オープン。ひと捻りした屋号と、朝倉の三連水車を刻んだ看板がスマートです。しかしこの三連水車、ただのイラストではありません。武藤さんが店に込めた想いを象徴するアイコンなのです。その想いの中身は、これから始まる料理たちがじっくり語ってくれるでしょう。
木目調のカウンター席はとてもリラックスした居心地。開放的なスタジオ風の厨房も、武藤さんのパフォーマンスを眺める楽しみを与えてくれます。6名までならモダンな個室もおすすめ。テーブルを支えるように横たわる、大川市から運んだクスノキの迫力には目を見張りました。
さて、福岡にフレンチは数あれど、「Seigou 610」の輝きには独自のものがあります。その核となるのが「朝倉」というキーワード。食材の多くが武藤さんの故郷・朝倉市(と福岡県)産であること、そして野菜たっぷりのヘルシーフレンチを振る舞うのが特徴です。
「朝倉の食材の魅力に気づいたのは福岡に帰郷した後でした」と武藤さん。「とくに野菜の美味しさに驚いて、これなら野菜メインのコースが作れるぞって」。多いときは20種もの朝倉野菜が届き、週に1~2回は自ら道の駅で仕入れもするそうです。
そんな郷土愛がこもるコースはコンソメからスタート。地元産の古処鶏と野菜で丹念に取った一杯に、優雅な野生味がフワリとたゆたいます。舌に深く浸透してくる旨味も本気でクセになりそう。
2品目はスナップエンドウのスープです。軽快な豆の歯触りと、爽やかな青臭さに思わず破顔! 底には皮の部分を使ったピューレが敷かれ、混ぜて食すと具沢山なポタージュのようでした。
こちらは地元ブランド「健ちゃんトマト」のジュレ、クリームチーズ、パセリオイル、朝倉産の蓮華蜂蜜を合わせた一品。艶かしい舌触りの中で渦巻く、甘み・酸味・塩味のうっとりするコラボが楽しめます。1品目から続く天然素材の滋味・滋養に、身体じゅうの細胞も喜び始めていました。
香ばしいイタリア産ホワイトアスパラガスのローストにも“朝倉印”はしっかり刻まれています。ソースには地元の酒蔵「篠崎」の甘酒を使用。トッピングの自家製猪の生ハムも、同蔵の麦焼酎を何度も塗りながら半年かけて仕込んだ労作です。
他にもクラフトジンやオリーブオイル、ウイスキーなど「篠崎」のアイテムがズラリ。「地元の食文化を発信することが、少しでも故郷への恩返しになれば」と武藤さん。「“ここと同じ野菜が欲しいので、生産者さんの連絡先を教えて”とお客様に頼まれることも増えました。そんなふうに“繋げる”役割を果たせていけたら嬉しいですね」。
コースの佳境にふさわしく、魚料理は杷木で捕れた立派なウナギ。骨切りしてから低温で火入れし、仕上げに皮目をパリッと炙ってあります。ふっくらしたうまさを引き立てる、ホタルイカのリゾットと摘みたて山菜の存在感もキラリ。みずみずしい自然の生命力を見事にまとめたセンスに脱帽です。
肉料理は「マノワ」譲りのジビエ。的確な処理でえぐみを除いた篠栗産の鹿ミンチを、ソフトなパイで包み焼きにした佳品です。赤ワインのソースは朝倉産の黒蜜入りで、ジビエ特有の野趣がよりまろやかに。野菜主体のコースの中で、確かな満足感を残す魚&肉料理でした。
デザートのアイスクリームには、親戚の果樹園のイチゴと甘い香りのトンカ豆を採用。さらにもち米のムースと求肥、桜の塩漬けとイチゴのチップスを添え、申し分のない食味を演出します。
そして、この店のフィニッシュと言えばこれ! 常連にはお馴染みの「自家製どら焼き」です。甘さ濃厚な朝倉産黒豆を使い、1個ずつ手焼きするホカホカの定番品。シェフや食材の“温もり”が伝わるコースの締めとして、これほどふさわしいものがあるでしょうか。
繊細な技と郷土愛というスパイスで仕上げる、(ほぼ)オール朝倉の料理たち。それはデトックスにも似た、身体の奥から綺麗になるフレンチでした。気持ちにもゆとりが生まれ、会う人みんなに優しくなれそうな……そんな心地よさがファンを惹きつける理由かもしれません。「美味しい料理を食べる意味って何だろう」。その答えの一つを見つけた気がします。
この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。
店舗名
Seigou 610 (セイゴウ 610)
ジャンル
住所
福岡市中央区小笹1-22-25 小笹カステリア1F
電話番号
092-775-2453前日までに要予約
営業時間
12:00~15:00/18:00~23:00
定休日
月曜
席数
個室
2〜6名
メニュー
ランチコース6,600円、ディナーコース11,000円
記事に関する諸注意
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