美野島で安うまな肉を食らう！　ガード下の隠れ家焼肉店

ディープスポットが点在する博多区美野島で、おすすめしたいのが大衆焼肉店「黒岩家」です。僕自身、穴場の店を発掘しようと美野島を散策していた時に見つけた一軒。まずはその立地が魅力的で、その佇まいからはうまい肉が食べられそうな雰囲気がかなり漂っています。国道385号の陸橋下にあり、大通りを車で通っても車窓から見つけることはできません。まさかガード下にこんな店があるとは！　歩いてこそ見つけられる、まさに隠れ家店です。

店内に入れば明るく賑やかな空間が広がり、“アットホーム感”を醸した雰囲気に一気にファンになりました。気になるメニューは九州産和牛をはじめ、上質な肉がそろっています。味も文句なしで、コスパの良さも嬉しい限り。個人的には、酒飲みにたまらない“味付け濃いめ”のメニューが並んでいるのも嬉しいポイントですね。

お店は常連に愛され続けて昨年10周年を迎えました。それを機にプチリニューアル。七輪焼きからガスロースターに変わったのもそのひとつで、一度に焼ける量が多く、火力が強すぎないので家族や仲間同士でゆっくり楽しめるなど利点が多いんです。“焼き”が重要な焼肉店で大胆な切り替えを行い、より快適な空間へと変わりました。

メニューでは、リニューアルを機に登場した鉄板焼きメニューが評判上々。なかでも新たな名物として打ち出した「地獄焼き」（2人前1480円／注文は2人前〜）は注目です！　大ぶりのシマチョウを主役にピリッとくる辛味ダレ、スライスニンニクの風味をガッツリと効かせたメニューで、鉄板ごと焼き台にのせれば10分ほどで完成。2種類をブレンドした韓国唐辛子の辛さが味の決め手で、焼いている間も漂う刺激的な香りに食欲がそそられます。

気づけば、次々と手が伸びる……クセになるとはこの事ですね。シマチョウを食べた後は麺（1人前180円）を入れて、ビビン麺として味わえば、特製ダレを余す事なく堪能できますよ。

黒毛和牛は鹿児島産、宮崎産がメイン。産地を細かく絞らず、きめの細かさ、赤身とサシのバランスなどを基準にその時々で上質な素材を仕入れています。まずはカルビ、ハラミ、豚バラ、鶏ももの4種類が入った「お肉盛」（980円）でお手並拝見！　厚めにカットされ食べ応えは十分ですが、赤身を中心にセレクトされているので、さっぱりと食べやすい印象です。身は柔らかく、脂身の甘みも適度に染み出てきてサイコーです！

あっさりと肉の味を堪能するのも良いけど、ガッツリ系も食べたい！　そんなことを思いながらメニュー表を見ていると、名前からしてかなりそそられる「ニンニクハラミ」（写真左上・680円）を発見しました。おろしニンニクがたっぷりと和えられているのでコクがグンとアップし、これまた酒に合う！　焼き上がりは柔らかい身から、こってりと効いたニンニクの風味が口に充満する至福の時を楽しめます。

タレは親しみのある甘口の九州醤油ではなく、関東系の醤油を使った醤油ダレが用意されています。キリッと濃い味ですが、それに負けない肉の旨味もすごい！と感じさせてくれます。すっきり仕上げた醤油ダレ、ホルモン用の味噌ベースのタレもあるので、部位ごとに使い分けて堪能して下さい。

店内には昭和のポスターが貼られ、懐かしい雰囲気が広がります。テーブルやゆったり使える座敷に加えて、カウンター席もあるので「一人でも通える焼肉店はないかな」と思っている方にも、ぜひ教えてあげたい一軒です。