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日本酒といえばキリッとした冷酒、という人は多いでしょう。そして「アテにはやっぱり和食よね」という人も。かくいう僕も、実はそちら寄りでした──そう、先日「酒とめし 開放弦」を訪れるまでは。そこには燗酒向きの銘柄がズラリと並び、料理もグラタンや麻婆豆腐など和洋中のボーダレス。それらが織りなす美味なコラボは、あらためて日本酒の深い魅力を教えてくれました。
日赤通りの大楠1丁目交差点近くに「開放弦」がオープンしたのは2015年。涼やかな京都の町屋風の表情が、早くも“良店オーラ”を放っています。80年前のアンティークだという味のあるガラス戸を開け、いざ入店。
木目の温かみに癒される店内もまた、のんびりしたムードで居心地よし。「昭和50~60年代の酒場や食堂を意識してみました」と、話すのは店主であり料理人でもある林英生さんです。
さて、林さんは何がきっかけで“燗酒推し”になったのか。「8年ほど前、日本酒にはどんなジャンルの料理も受け止める力があると気づいたんです。食中酒としては最強の部類ですね。僕もいろんなジャンルの料理を作りたいタイプなので、それなら日本酒を全面に出した店をやってみようかなって」。
日本酒リストを手に取ると、約半分が熱燗向けの銘柄でした。「温めると味わいが花開くのが燗酒の良さだと思います」と林さんが続けます。「それに最初は熱めの70℃ですが、60℃、50℃と下がるにつれて風味が移り変わる面白さもある。自分好みの温度帯を探すのも一興ですよ」。
そんな燗酒向きの銘柄から、お勧めをいくつか林さんに選んでもらいました。
(右から順に)まずは奈良県の純米酒「睡龍」。蔵の中で数年熟成させた酒で、味わいは辛口寄りです。龍が巻きついたようなラベルもユニーク。
隣の純米清酒「秘傳」は、広島の酒蔵「竹鶴酒造」の作。こちらも茶色がかった熟成酒で、意外と軽やかな飲み疲れのしない味でした。
「生酛のどぶ」はどっしりとした飲み口のにごり酒。スパイシー系や肉料理との相性が抜群です。
最後は鳥取の純米吟醸「日置桜/穿(うがつ)」。際だつ酸味と、口の中でスパッと切れるキレの良さが特徴です。林さん曰く「料理を選ばないオールマイティーな酒」だとか。
グラスの値段は基本的に550円(100ml)。上の4種類では「どぶ」のみが660円でした。
そして、この夜の“燗酒縛り”に合わせた1品目がこちら。叩いたマグロと長芋に、ミョウガや青ジソなどを加え、うずらの卵を乗せた「マグロと長芋の和風タルタル」(980円)です。海苔で巻くと、どことなくネギトロ巻のような。「日本酒も米が主原料なので、燗酒がシャリ替わり、という感じですね」と林さんが微笑みます。
豚ミンチに豚タンとミミガーを加えた自家製の「豚タン焼売」(6個/680円)はパンチの効いた一品でした。とろりとした脂のジューシーさと、ゴツゴツした具材の存在感が肉料理としての満足感を引き立てます。こういう料理には、先ほどの「秘傳」のような熟成酒が絶妙にマッチ!
「新玉ネギのパイ」(680円)はシンプルな見た目に反し、ゴージャスな味わいが満ちた佳品です。バターで炒めた新玉ねぎを、鶏スープと生クリームで煮詰めた具材のうまさに唸らされました。「バターと日本酒が合うのも、発酵という共通項があるからでしょうね」と林さん。
どの料理も燗酒とよく馴染み、風味が豊かに膨らむものばかり。今更ながら日本酒の懐深さに舌を巻く美味体験でした。なんだか日本酒の嗜み方の、新たな回路を開かれたような……。
「今後も各国の多様性ある料理を、どんどん燗酒に合わせていきたいですね」と林さんも意欲を語ります。となると「開放弦」はますます面白い店になる予感。この次は、日本酒が縁遠そうな友人も連れてこようかな?
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