“魂のカルボナーラ” 大名「MACARONI」の林シェフは今どこへ? 〜後編〜

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最終更新日

ライター森絵里花

カメラマン森絵里花

福岡姪の浜のイタリアンanima

姪浜

anima(アニマ)

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前編を読み逃した方はこちら

林シェフの代名詞、真打ち登場!

林シェフのファン垂涎の逸品といえば、やっぱりパスタ。なかでも、生クリームを使わない本場ローマ式の「カルボナーラ」は、林シェフの代名詞です。

ベーコン、オリーブオイル、卵、チーズと、材料はシンプル。しかし、これらを乳化しパスタにまとわせる工程が腕の見せどころ。手首のスナップ、身体全体を使ってフライパンを振り、コンロに戻し、また振って……。

福岡姪の浜のイタリアンanima

何とこれを20回以上も繰り返すんです! 最後にガッと強火で締めてお皿の上へ。仕上げに黒胡椒をふって出来上がり。

福岡姪の浜のイタリアンanima

麺の1本1本が見事にコーティングされており、ツヤツヤでこっくりと濃厚。出来たてはもちろんですが、麺の食感や旨味は少し冷めるとより一層その美味しさがわかります(イタリア人は、熱々は食べないと言いますしね)。

「カルボナーラはずっと作り続けている、いわば僕の人生が詰まったパスタです。別府時代、大名時代、そして今。常にブラッシュアップして進化を続けています」

〜はじまりのカルボナーラ〜

“人生が詰まったパスタ”。そう、林シェフの料理人人生は、カルボナーラから始まったといっても過言ではありません――。

「高校生の頃、親不孝通りにあった『かまど』というイタリア料理店でバイトをしていたのですが、そこで初めて食べたカルボナーラにビビビッときて(笑)。それから、この道を目指そうと決意したんです。高校を卒業して大阪の調理師専門学校へ行き、その後19歳で神戸の老舗イタリア料理店に入りました」

福岡姪の浜のイタリアンanima

「“イタリア料理を作るなら、本場の味を知らないと。大好きなカルボナーラを食べに行きたい!” 就職したばかりにも関わらず、当時の店のオーナーはそんな僕のワガママを聞いてくれて、3週間ほどローマへカルボナーラを食べる旅に出ました。やがて何度か行くうちに、3週間が2ヶ月、3ヶ月と延びていき……(笑) その後26歳で、本格的な料理修業のために再びイタリアへ渡りました。

まずは、ピエモンテにあるプロ専門の料理学校へ。その後“とにかく南の方へ行きたい”と伝え、ラツィオ州・アプリーリアの星付きリストランテを紹介してもらいました。パスタ場も任され充実した日々でしたが、ある時、友人に連れて行ってもらったローマの下町の食堂で食べたパスタに衝撃を受けたんです。“高級食材なんて使わない。素朴だけど心に残る味”。僕が目指すのはコレだと、確信しました」

福岡姪の浜のイタリアンanima

「その後いろんなトラブルに見舞われつつもナポリへ渡り、“シゲさん”をはじめとしたたくさんの友人に助けられながらソレントへ行き……。ソレントのタベルナでは調理補助として雇われたはずが、気が付けばメインシェフを任せてもらえるまでに。そこで本場の味、感覚を体に叩き込んで帰国しました」

“シゲさん”(写真右・中央)とは、林シェフが尊敬する久留米「ダ・シゲッティーノ」の永松重則シェフのこと。本場ナポリのピザ職人協会から、外国人で初めてその技術が認められた凄腕のピザ職人です。

福岡姪の浜のイタリアンanima

帰国後は東京で働き、その後城南区別府に自身の店「MACARONI」を開業。別府の店は移転準備のために一度閉めたものの、大名時代のオーナーに誘われ「MACARONI」(大名)のシェフに。そしてこの度、別のオーナーとの縁があり、姪浜で新しい店を任されることに。

「anima」とはイタリア語で、精神、魂を表す言葉。魂を込めた南イタリア料理を作る林シェフに、ぴったりの店名だと感じました。
新たな舞台で、生き生きと活躍する林シェフ。新章はまだ、始まったばかりです。

おまけ:これからは、おうちでもanima…?

福岡姪の浜のイタリアンanima

現在は、自宅で楽しめるテイクアウトメニューも開発中。パスタを林シェフが、ソースを姉妹店「アペリティーボ」の舛田シェフが考え、試作中なのだとか! 完成が待ち遠しいですね。

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店舗名

anima(アニマ)(店舗写真

ジャンル

  • イタリア料理

住所

福岡市西区姪浜4-23-10 Be-SQUARE 1F

電話番号

092-834-3939

営業時間

16:00〜OS23:00(土・日祝は13:00〜OS22:00)

定休日

火曜

席数

  • カウンター8席
  • テーブル10席
  • テラス4席

個室

なし

メニュー

ゼッポレ550円、ナポリのマンマから習ったナポリ風ジャガイモのタルト880円、手打ちスパゲッティミートソース「アニマ風」1320円、本物のパンナコッタ660円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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