博多駅の行列ラーメン「明鏡志水」の絶品つまみで昼飲みしてみた

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ライター江月義憲

カメラマン江月義憲

博多駅

明鏡志水

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いまだ「まん防」の明けぬ3月初旬。ひと月以上も自粛休業や時短営業が長引くのは、店も辛いが、酒飲みにとっても辛い。しかし、ピンチはチャンス。こんな時こそ、かねてよりを目を付けていた店で昼飲みしようと、飲み友のU氏と連れだって平日の昼間に博多駅へと向かった。

お目当ては博多デイトス最深部にある「明鏡志水」。2021年3月から期間限定で博多駅ホームのポップアップショップとしてデビューして大きな話題を呼び、9月から実店舗を構えたラーメン店だが、15時以降は小料理屋として営業しているのは意外と知られていない。
しかも、オーナーシェフの秋吉雄一朗さんはミシュラン三つ星の老舗料亭「瓢亭」を経て、OECDパリ日本政府代表部の公邸料理長を務めた和食料理人。その手による一品料理をつまみに自然派ワインが飲めると聞けば、行かないわけにはいくまい。

明鏡志水

ラーメンファンで行列ができる超人気店だが、ランチタイムの喧噪が過ぎた店内はいい感じに落ち着いている。15時きっかりに席に着くやいなや、とりあえず白と泡のグラスワインを注文。お通しで出された「キノコのコンフィサラダ」をつまみながら、何を食べるべきかメニューを眺めつつじっくり検討に入った。

明鏡志水

日替わりの手書きメニューには、グラスワインが10種類以上と約20種類の料理がズラリ。ワインは秋吉さんがパリ時代に魅了されたという自然派が中心で、セラーには泡・白・オレンジ・ロゼ・赤のボトルが100種類以上ストックされ、ノンアル以外のドリンクは生ビールだけという徹底ぶりだ。
料理はどれも目移りするものばかりで、悩んだ末にスペシャリテの最初に書かれた「野菜のエチュベ」(1,000円)を注文。なぜなら、2人とも「エチュベ? なにそれおいしいの?」だったから。

ガラスの器に盛られてきたのは、色とりどりの野菜の蒸し煮だった。シャキッ、カリッ、ポリッ! 大根・人参・セロリ・パプリカ・シイタケ・ブロッコリー・レンコン・ゴボウ・キュウリ・トマトなど、野菜ごとに異なる食感が歯に心地よく響き、さっぱりとした酸っぱさが口の中に広がる。本来はワインとオリーブオイル、レモンを使うところを日本酒と胡麻油、カボスなどの柑橘に置きかえているのが和食の技。うん、これは辛口の白ワインに合わせるのが正解だ。

続いて注文した「クリスピーポテト」(600円)には、トリュフのトッピング(+900円)を奢ってみた。大きめにザク切りされたポテトをガブリといくと、カリッと揚げた表皮の中はアツアツでホクホクの男爵イモ。舌をワインで冷やしながら食べているうちに、たっぷり削りかけられたトリュフの香りが追い打ちをかけてさらにワインが進むというサイクルにハマる。あっという間にグラスが空いてしまうのが実にヤバい!

明鏡志水

ここは旬のものでも食べて、ちょっと落ち着こう。「蛸と花山葵」(1,000円)は、春を呼ぶともいわれる山菜・花山葵とあっさり炊いたタコを合わせた小鉢。ラーメンのタレにも使っているという熊本・ヤマア醤油で漬け込んだ爽やかな辛味の花山葵と柔らかなタコの食感に刻み海苔の風味が相まって・・・・・・。いかん、これもまたワインが進んでしまうヤツだった。何が何でも飲ませようとする秋吉さんの術中にまんまと嵌まっていくこの感じ、どうして飲んべえに抗うことができようか。

明鏡志水

とどめは「鴨葱山椒」(2,800円)だ。マグレ鴨といえば、美食の国・フランスでフォアグラをとるためだけに飼育された特別な食材。ひたすら栄養価の高い餌を与えられて育った赤身には旨みが凝縮され、ぶ厚い皮はカリッと焼かれている。さらに細切りにした葱を鴨から染み出た脂で炒め、フレッシュな香りの粒山椒と合わせた独創的な一皿。
これに赤ワインを合わせないでは、マグレ鴨に申し訳が立たないではないか! そんな言い訳がましいことを呟きながら、鴨肉はシラーとグルナッシュを熟成した赤ワインとともに胃の中に収まっていくのだった。

明鏡志水

腹もくちくなり、いい感じで出来上がった後は、やはりラーメンで〆るのがお約束。温かい鶏スープの醤油と塩、鰹と昆布出汁の冷たいつけ麺、さらに最高級の鮪本枯節を使った贅沢な冷やしラーメンまで様々なバリエーションがある中から、チャーシューにネギ、刻み海苔をトッピングしたシンプルな「淡麗塩」と写真の「淡麗醤油」(各850円)をそれぞれ注文。
コンソメの手法をヒントにしたという丸鶏のミンチからとったやさしいスープの味わいが五臓六腑に染みわたり、しなやかな中太のストレート麺をツルリと完食した。

明鏡志水

現在パリに本格的な茶懐石のレストランを出店準備中の秋吉さんにとっても、「明鏡志水」はラーメン以外にいろいろなチャレンジができるもう一つのステージ。「カジュアルすぎて懐石の献立には入れずらい料理もあるので、自分自身が楽しみながら作っています」と、その料理は遊びごころに溢れている。「どちらかというと、ホームパーティで友人をもてなすときに作る感覚に近いですね」とも。そんな一流の料理人が楽しみながら作る料理をアテに昼飲みすれば、ワインがとまらないに決まっている。

明鏡志水
明鏡志水

店舗名

明鏡志水

ジャンル

  • 居酒屋
  • ラーメン

住所

〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1−1

電話番号

092-710-6377

営業時間

10:00~OS21:30

定休日

なし

席数

  • カウンター7席
  • テーブル36席

個室

なし

メニュー

淡麗 塩・醤油850円、特製味噌1,200円、特製鶏白湯1,300円、トリュフ鶏白湯3,000円、鰹昆布水つけ麺 塩・醤油 1,100円、明鏡志水 PURE950円、明鏡志水 LUXE1,600円
15:00以降/グラスワイン1,000円〜、生ビール600円、鶏もも塩唐あげ600円、金柑ブルーチーズ(2個)800円、自家製からすみ大根(2切)1,500円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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