西中洲のリバーサイドで、本場そのままの南イタリア料理を楽しむ

西中洲の那珂川沿いに建つフレンチルネッサンス様式の洋館・旧福岡県公会堂貴賓館を中心にした県営天神中央公園。福岡の新しい観光スポットとしてリバーサイドに作られた商業施設「ハレノガーデン・イースト」に2021年7月にオープンしたカジュアルなイタリア料理店が「A TAVOLA!! （ア・ターヴォラ）」です。

オーナーシェフの薙野耕平さんが高宮にあるガトー・ピレネーの「fattoria da Cosimo」、イタリア食堂「SACCO」に続いて出店した3号店で、3年間にわたって修業した南イタリアの料理をさらに強く打ち出しています。「この場所は福岡に訪れる観光客も多いので、その魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」と、多彩な食材を使ったプーリア州やマルケ州の郷土料理を紹介しています。

ディナータイムにアラカルトを注文すると、最初にコベルト（250円）として自家製フォカッチャにサクッとした固焼きパンのタラッリとオリーブが提供されます。まずはリバーサイドの風景を眺めながら、カンパリやスプマンテなどの食前酒を飲みつつ、前菜を待つことにしましょうか。

穏やかな気候で山海の幸に恵まれたプーリア料理を集めた「前菜の盛り合わせ」（1人前1,800円・写真は2人前）は、まず「イワシとカブ、シイタケのマリネ」、「ゆでイタリアほうれん草とストラッチャテッラ」といった小皿が出てきます。その後も次々と皿が運ばれてくると、「えっ、まだ出てくるの？」と思っているうちに、最終的には8品も出てきてテーブルが一杯になるほどでした。

「プーリアでは”アンティパスト・デラ・カーサ（家の前菜）”といって、お客さんをおもてなしする家庭料理で、いわばイタリア版のおばんざいですね」と、薙野シェフ。どの料理も酸味、辛味、甘味、ハーブの香りなどがしっかりと利いた味付けで、日本人向けにアレンジすることのない、本場そのままの味を食べることができます。

パスタは南イタリア料理のど定番「スパゲッティ ポモドーロ」（1,050円）に、リコッタチーズをトッピング（＋350円）。フレッシュな酸味の効いたトマトソースとサッパリとしたチーズの組合せが絶妙で、気分はもうイタリア人！　シンプルな故にクセになりそうな美味しさです。

メインに注文したのは、「コトレッタ・コン・ポモドリーニ」（1,800円）。叩いて伸ばした豚肉をサクッとした食感に揚げたカツレツに、プチトマトの甘味、ルッコラの苦味に、パルミジャーノ・レッジャーノの塩味が絶妙のバランスで、かなりのボリュームながらペロリと平らげてしまいました。

テイクアウトコーナーもあり、前菜をはじめとする多くの料理が持ち帰りできます。店内はカジュアルな雰囲気で、これから気候が良くなる春から夏にかけては那珂川に面したテラス席も最高のシチュエーション！　西中洲に居ながらにして、南イタリアの風を感じることができますよ。