宝石級に輝く海鮮丼！柳橋連合市場内に鮮魚店直営の食堂が誕生

美味しい魚が集まる福岡の市場といえば「長浜鮮魚市場」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが……、福岡にはもう一つ、忘れてはいけない市場があります。そう、昭和初期から続く「柳橋連合市場」です。

寿司店に和食店、フレンチにイタリアンなど、客の7、8割は料理人という、まさにプロ御用達の“博多の台所”。市場内には、鮮魚店、青果店、精肉店、明太子専門店、漬物店などの小売店が軒を連ねており、鮮魚店が営む食堂もあります。
そして、中でも注目は今年9月末にオープンした「食堂 光」。市場内にある、1930（昭和5）年創業の老舗鮮魚店「仲西鮮魚店」が手掛ける海鮮食堂です。

場所は「柳橋連合市場」の中程、「仲西鮮魚店」の向かいにあります。青い外観を目印に中へ入ると、店内はカフェやバルのようにカジュアルな雰囲気。これなら、女性一人でも立ち寄りやすいですね。カウンター席へ進むと、料理長の重見仁志さんが「いらっしゃいませ！」と、笑顔で迎えてくれました。

割烹料理店で長らく腕を振るってきた重見さんは、寿司も握り、トラフグも捌ける和食一筋28年の腕利きです。「仲西鮮魚店」とは先代の頃から付き合いがあり、現在の代表・慶紘さんに「力になってほしい」と相談を受けて、即承諾したのだとか。
「店の目の前に仕入れ先があり、毎朝『長浜鮮魚市場』で競（せ）ってきたばかりの鮮魚を選べるなんて、最高の環境ですよね」と笑顔で話します。

続けて「父は生前から“食堂をやりたい”と言っていて、その思いを汲み、父の名前から一文字もらって「光（みつ）」と名付けました」と話すのは、代表の仲西慶紘さん。メニューは重見さんと仲西さんの2人で考案しているそうですよ。
早速チェックしていきましょう。写真は10時から14時までのランチメニューです。刺身定食や焼き魚の定食も気になりますが、今回は一番人気の「海鮮丼定食 特上」(1,800円)をいただくことに。

さぁご覧ください、この輝きを。生本マグロにイクラ、アジ、マダイ、ヤリイカ、車海老、サーモンと、どれも質がいい。「海の宝石箱やぁ〜！」と思わず声に出したくなるほど、7種のネタがキラキラと輝いています。

卓上にはキリッとした生醤油、出汁を合わせた特製の刺身醤油、自家製のゴマダレが用意されていました。まずは生醤油か刺身醤油、その後ゴマダレで……と自由に楽しめるのがいいですね。ゴマダレは当り鉢でゴマをすり、温かい出汁を加えて香りを出しているそうで、香ばしくとても好みでした。

ネタが盛りだくさんで見えませんが、ご飯は酢飯でなく白ご飯タイプ。ランチタイムは大盛り無料です（写真は大盛り）。定食に付いてくる赤だしはアオサ入りで香りよく、鶏肉や海老、白身などが入った茶碗蒸しも上品で美味し〜。サワラやアジなど日替わりの鮮魚を使う自家製の南蛮漬けも、酢加減がちょうど良く美味です。

また、“終盤はお茶漬けにしたい”という方へは、カツオ出汁とお茶を割った「追い茶」と海苔を無料サービス！　おしぼりにはおみくじが付いていて「アタリ」が出ると、若女将特製の「自家製プリン」も無料サービスに。細部まで楽しめる仕掛けが満載ですね。

そして「食堂 光」の魅力はランチだけではありません。16時から21時までは海鮮居酒屋として営業し、天ぷらや揚げ物など鮮魚を使った料理がメニューに並びます。まず外せないのは「本日のおすすめ刺盛り」(3種900円〜)でしょう。写真は5種盛り（1,500円）で、質の良いネタが5種3切れずつ盛り込まれています。この日の本生マグロは赤身と中トロのグラデーションが美しい最高の部位でした。爽やかな赤身の香りとトロの甘味がとろけます。

さらに、夜は握り寿司も登場します。1貫（100円〜）ずつ注文できるのも嬉しい限り。写真は「厳選！贅沢にぎり！」(10貫2,500円)なのですが……それにしてもお得すぎませんか！？　一口アワビはコリッと鮮度抜群で、車海老はまだピクピクと動いていました。頭をサッと湯通しして添えてあるのも嬉しいですね。新鮮なので味噌が甘く、臭みはまったくありません。
いやはや、さすがは鮮魚店直営。他のお店だったら、これほど質の高いネタをこの価格ではなかなか出せないだろうなぁとうなりました。最近は開店前から並んでいるお客さんもいるようですよ。美味しい海鮮丼、寿司、魚料理を食べたい！という時は、ぜひ行ってみてください。