路地裏の名店【43】

炎を囲んで肉を食べ自然回帰。生産者にフォーカスした薪火料理店

公開日

最終更新日

ライター戸田千文

カメラマン戸田千文

「COWSI CAMP」の肉

大名

COWSI CAMP(コウシキャンプ)

  • x
  • LINE
UMARABI 新規会員登録はこちらから

大名の袋小路の奥の奥へと進み、辿り着いたのが「COWSI CAMP」。「Akamiya COWSI」「Yakiniku COWSI」などの肉料理専門店を経営する「COWSIグループ」の一軒です。

「COWSI CAMP」の店内

扉の向こうは、照明を落としたムーディーな雰囲気の店内。大きなコの字形カウンターの中心にある、パチパチと燃える薪火が気分を盛り上げてくれます。「COWSI CAMP」はその名の通り、まるでキャンプに来たかのように火を囲み、料理を味わう薪火料理専門店なのです。

ここのメインは薪火で焼いた肉。席に着くと、スタッフがまるで宝箱のような大きなボックスを持ってきてくれます。目の前で開かれた箱の中には、数種類の肉の塊が! この日は和牛や羊など5種類が並んでいました。そこから好きな肉を選んで、100g単位で焼いてくださいます。

「COWSI CAMP」の肉

肉は日によってラインナップが変わりますが、共通点は「生産者へのこだわり」と話してくれたのがオーナーの福富康馬さん。「味や飼育方法、受賞歴など評価されるポイントはいろいろありますが、私たちが大切にしているのは生産者の人柄です。どの人が育てているかで、肉にも“世界観”が表れる。生産者の人間性が味にも反映されているんです」。例えばこの日並んでいた「走る豚」は熊本県菊池市で育ったもの。産業廃棄物の処理場になる予定だったところを、「自然の山を守りたい」との思いで武藤計臣さんが仲間たちと買い取り、自然の中で伸び伸びと豚が育つ養豚場を作ったそうです。

このほかにも、熊本県産山村で自然飼料飼育に取り組む井信行さんの「あか牛」や八女をはじめとした猟師から仕入れるジビエなど、福富さんから語られる生産者のエピソードは興味深いものばかり。店に立つスタッフの皆さんもその思いを共有しているとのことなので、どの肉にしようか迷ったら「これはどんな人が育てたの?」と尋ねて見るのも良いかもしれませんね。

「COWSI CAMP」のメニュー

お肉を選んだら、焼き上がるまでの時間はほかの料理を楽しみます。旬の食材を使うため、メニューも季節が反映されています。また野菜やバゲットなどを薪火で焼いたり、炙ったりして提供する料理が多いことも特徴です。

「COWSI CAMP」の柑橘香る薪炙り赤海老のマリネ

まずは焦げ目が見える大きなレモンがゴロリと入った豪快なビジュアルの「薪焼きレモンサワー」(770円)で乾杯! 1皿目は、おすすめしてもらった「柑橘香る薪炙り赤海老マリネ」(900円)です。彩りよく涼しげで華やかな一皿で、牛コンソメのジュレにオレンジの香りを移したオイルを使っていて甘酸っぱさを感じます。一度炙ったことで引き出されたエビの甘味もたまりません。

「COWSI CAMP」の馬肉のカルパッチョ

続いては「馬肉のカルパッチョ」(50g1750円〜)です。薪火で炙られた熊本産馬肉は、もっちりしていて柔らかく、しっかりした旨味。フレッシュトマトをマリネしたソースはまろやかな酸味で、後口にハーブの爽やかな香りが鼻に抜けていきます。

「COWSI CAMP」の薪火で焼いた肉

そしていよいよ、メインの薪火で焼いたお肉が登場! この日いただいたのは、佐賀県産の「黒毛和種」(100g3,200円)です。薪特有のスモーキーな香りが食欲をそそります。しっかりとした肉質の赤身が特徴の経産牛は、噛むと旨味がじわり。薪に含まれる水分の影響で、焼いてもパサつくことなくしっとり仕上がっています。この日は1種類だけにしましたが、多くの方が2〜3種類の肉を食べ比べるそうです。

「COWSI CAMP」の薪火

「普段はオフィスで忙しく働く方たちが、仕事終わりに火を囲んで人間性を取り戻せるような時間を過ごしてほしい」と福富さん。“気軽に自然に還れる場所”を目指して、より野生味ある店づくりを目指し、近々リニューアルすることも検討しているそうです。またCOWSIグループとしてすでに精肉店「COWSI MEAT SHOP」を手掛けていますが、新たに畜産業にチャレンジする準備も進んでいるのだとか。独自の世界観を作り上げるべく進化を続けるCOWSIグループのこれからに期待が高まります。

店舗名

COWSI CAMP(コウシキャンプ)(店舗写真

ジャンル

  • 肉料理
  • ステーキ

住所

福岡市中央区大名1-4-29 GW BLD 2F

電話番号

092-753-7933

営業時間

17:00〜OS23:30

定休日

月曜

席数

  • カウンター16席
  • テーブル8席

個室

なし

メニュー

薪焼きレモンサワー 770円、柑橘香る薪炙り赤海老マリネ 900円、馬肉のカルパッチョ 50g 1750円〜、薪火で焼いた肉/黒毛和種 100g 3200円〜・走る豚 100g 1300円〜・熟成たん 100g 4000円〜、薪スモークウィスキーの大人バニラアイス700円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
UMARABI 新規会員登録

人気記事ランキング

  • 24時間
  • 1週間
  • 1ヶ月
  • ワンタップでUMAGAにアクセス!
  • メルマガ会員募集