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「ずっと変わらないもの」には、どこかどっしりとした安心感がありますよね。目まぐるしい日常の中で、羽を休めたい時に「老舗」へ足が向くのはそのせいなのかも。たとえば福岡市民のソウルフード、餃子もそんな癒しやくつろぎを与えてくれるオアシスだと思います。
ちょっと人心地つきたいこの日、僕も中洲の錦小路を目指しました。お目当ては“一口餃子発祥の店”と言われる「宝雲亭 中洲本店」です。かつて初代が満州(中国)で覚えた味や形を元に、帰国後の1949年(昭和24年)にオープン。以来70年余にわたり、博多伝統の味としてのこだわりを守り続けています。
雑然としながらも、どこかしら温かみのある店内はこれぞ「餃子屋の王道」といった趣き。仕事帰りの会社員から観光客まで、さまざまな笑顔の花が咲く大衆店です。調理場から響いてくる水分の爆(は)ぜる音も、シズル感のあるBGMとなって耳をくすぐります。
カウンターの端では、スタッフの権藤雅俊さんが次々と手際良く餃子をこしらえていました。「必ず注文が入ってから皮を延ばし、餡を包んで焼きあげます。ただ焼くのではなく、蒸し焼きっぽく仕上げるのがポイント。出来るまでに20分は時間をいただきますが、これも美味しい餃子を作るための“伝統”なんです」。
そんな歴史と技術の詰まった「博多一口餃子」(10個600円)がこれ。名前どおり4cmほどの愛らしい大きさで、途中から2個いっぺんにパクリ! 上品とさえ思える、さっぱりした食味が存分に楽しめます。
素材は牛・豚の合挽肉、玉ねぎ、色付け程度に加えたニラのみ。皮の風味を生かすとともに、「お子様や高齢の方も召しあがりやすいように」とニンニクを使わないのが特徴で、それが食後の軽やかさに繋がるのでしょう。おかげでサクサクと快調に胃に収まっていきました。
が、他の料理のためにも「一口餃子」は2人前でなんとか我慢。続いては一回り大きいサイズの「黒豚餃子」(8個660円)をいただきました。使うミンチが黒豚だけなので、食べ応えはもちろん、脂の甘みやコクがより際立ちます。ちなみにこの餃子、近々一口サイズに変わる予定もあるのだそう。ともあれほどよい“味変”に酒杯も進み、いつしかすっかり上機嫌。本当に不思議なもので、餃子には自然と人を開放的にする魔法があるんですよね。
さらに、ここでは「ニラ卵とじ」(660円)もマスト。たっぷりのニラをフライパンで炒め、その中で卵を溶いて仕上げる、これも創業時からの定番です。シンプルな料理ですが、それゆえに飽きのこないうまさに引き込まれます。なかには別途「ふくやの明太子 大根おろし添え」(1,000円)を頼み、表面に塗って食す常連もいるとか。なるほど! 世には明太卵焼きという人気料理もありますし、これは使える裏技かも。
明太といえば、初めて頼んだ「葱チャーシュー盛り」(5枚580円)でも良い仕事をしていました。チャーシューは現店主が懇意にしている糸島の養豚場で加工してもらったもの。そこに特製の明太ダレをかけ、ピリッとアクセントを効かせてあります。チャーシューは濃すぎず薄すぎない塩梅のいい味付けで、肉の繊維を感じる歯応えも上々。少しアテをつまみたい時に、ちょうどいい一皿じゃないでしょうか(と脳内にメモ)。
あらためて感じたのは、素材の味を大事にしているためか、どの料理にも雑味や濁りのないマイルドさがあったこと。全年齢向けを目指してやってきたこの優しさが、「宝雲亭」を守り育てた秘訣かもしれません。中洲の食文化遺産として、そして郷愁を誘う懐かしい風景として、これからも永く愛されてほしい老舗です。
店舗名
宝雲亭 中洲本店
ジャンル
住所
福岡市博多区中洲2-4-20
電話番号
営業時間
17:30~OS翌1:30
定休日
不定
席数
個室
なし
メニュー
ゆでワンタン(8個)580円、手羽先にんにく煮込み(1本)180円、豚レバテキ660円、牛すじ煮込み770円、塩ホルモン炒め770円
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