福岡繁盛店探訪【9】

力強い食材をシンプルに味わえる極上のシェフズテーブル

公開日

最終更新日

ライター中野智恵

カメラマン中野智恵

平尾

清喜

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「平尾の清喜、行った?」。そんな声が福岡の食いしん坊の間で飛び交ったのは2018年。店内はキッチンと一体化したフラットなテーブルがひとつだけ。普段は立ち入れない厨房で食事をしているようなライブ感と、同じテーブルを囲んだ人との一体感を楽しめる「清喜」は瞬く間に人気店となり、この約5年の間にステーキ定食の「清喜ひとしな」(六本松)、エスニック料理&ワインの「Mon an」(赤坂)、餃子の「おそ松」(六本松)と3つの系列店を構えるほど成長を続けています。

清喜人
清喜店内

「そんなに店を増やすつもりなかったんですけどね(笑)」と話すのはオーナーの水田正大さんと、オープン時から水田さんと歩いてきた佐藤知志さん。2人ともフレンチの名店「花の木」の出身だけあって、素材への火入れの塩梅が抜群! 「素材のチカラを引き出す」というのはこういうことなのかと感動を与えてくれます。

清喜店内
清喜料理

席に座って一番最初に目に飛びこんでくるのは生命力あふれる野菜。元気いっぱいの野菜たちを今日はどうやって食べさせてくれるのだろう?と期待感が募ります。

まずいただきたいのが、毎日10種類程度が用意されている多種多彩な小皿料理です。メニュー名は「焼れんこん」「粉ふき芋」「焼人参」「春菊のサラダ」など、ほぼ「食材+調理法」というシンプルぶり。
しかし、これが最高に美味しいのです。野菜は種採り農家のパイオニアと言われる雲仙・岩崎農園のものなどが中心で、在来種の力強い味わいが感じられます。
本日オーダーしたのは「焼かぶ」。糸島市芥屋エリアでしか育たない伝統野菜「芥屋かぶ」です。
じっくりと時間をかけて火入れしたカブの味付けは塩のみ。運ばれてきた瞬間香りがふわっと立ち、口にするとカブ独特の香りとしっかりとした歯応え、甘みが広がります。
こんなふうに未知なる野菜の美味しさに出会えるのも、この店の醍醐味です。

小皿料理はアラカルトでのオーダーも可能ですが、その日のおすすめ6品をおまかせにすることも可能。2人で行って、食べたいものを3種ずつ選ぶのもいいですね。

野菜を愉しんだら、次はお肉をいただきましょう。なんといっても「清喜」といえば「木下牛」。滋賀県近江八幡市にある「木下牧場」で大切に育てられた「木下牛」は、“人間が食べて美味しいかどうか”を基準に餌を選んでいるそう。また、与える量も牛ごとに変えるなど、愛情たっぷりに育てられています。本日はまず、贅沢に「串かつ」(600円)で。衣の中に閉じ込められた旨味が弾けます。脂もしつこくなく、赤身の美味しさと香りが濃厚です。

ちなみに後ろで存在感を放っているソース入れは福岡在住の陶芸家・古賀崇洋さんの作品。串カツは2度漬け禁止のソースにつけてからいただきます。古賀さんの作品をソース入れに使うなんて、なんてオシャレなのでしょう!

さあ、真打ち登場。ステーキやハンバーグはトレーにのって登場し、その時のお腹のすき具合や気分に合わせて部位や量を選べます。「ハンバーグ」(3,500円)も捨てがたい美味しさですが、本日は「木下牛」の外モモ・95g(4,370円)をオーダー。ちなみに木下牛のほか、宮崎県西都市の「都萬牛」もラインナップしています。

清喜料理

テーブル背面にはグリルがあり、調理風景はすべて丸見え。ジュジューッとお肉が焼ける音もご馳走です。
さあ、焼き上がりました! しっかりと火を入れているように見えるのに、カットすると中はこんなにピンク色。肉の旨味を一滴も逃さないよう、外側をしっかりと焼き入れたステーキは絶品です。
1人でもペロッと食べられる量ではありますが、シメまで楽しみたいので本日はシェア。ワインが進みます。

シメの「ガーリックライス」(830円)が登場。いい香りがすると思ったら、ジャスミンライスです。上には卵と木下牛のコーンビーフをトッピング。並々ならぬ美味しさで、どれだけお腹がいっぱいになっていても食べたい一品です。

「美味しいね」「美味しいでしょう」と言っているだけであっという間に時間が経ってしまうのが「清喜」。水田さんを筆頭にスタッフの方も皆、料理をこよなく愛し、生産者さんへの感謝と尊敬の念を抱いているのが伝わってきます。また、そんな思いがお客にも伝播するのか、ここに座る人たちはいつも楽しそう! テーブルを囲んでいる人と気が合わないと、その時間が台無しになってしまいそうですが、この店ではみんながいい距離感で各々に好きな料理を楽しんでいます。そんな心地よいオトナの過ごし方ができるのも、この店が愛される理由となっています。

清喜メニュー

店舗名

清喜(店舗写真

ジャンル

  • ステーキ

住所

福岡市中央区平尾1-10-20

電話番号

092-522-6611

営業時間

16:00〜24:00

定休日

火曜不定

席数

  • カウンター9席

個室

なし

メニュー

チャージ550円、小皿料理450円〜、おまかせ小皿料理6品2,900円、木下牛コーンビーフ750円、木下牛ステーキ・サーロイン1g63円、外モモ1g46円、ハンバーグ3,500円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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