人気水炊き店のDNAを色濃く受け継ぐ、春吉のニューフェイス!

公開日

最終更新日

ライター諫山力

カメラマン濱田陽守

春吉

博多水炊き 鳥千代

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今年11月15日、春吉公園のほど近くにオープンした「博多水炊き 鳥千代」。大手門の水炊きの人気店「橙」で6年、系列の「焼とり 鳥次」で3年腕を磨いた上田悠一郎さんが始めた水炊き専門店です。だいぶ前から業界で噂になっていましたが、ようやくオープンしたので早速お邪魔してきました。

店内に入ると、うなぎの寝床のような造りでテーブル席が全7卓ありました。奥の窓からは竹を植栽した坪庭が見え、どこか上品な雰囲気です。
メニューは「橙」と同じく、「水炊き」(1人前3,500円)、「唐揚げ」(1個150円)、締めの「雑炊」(350円)、「素麺」(250円)のみ。上田さんは「『橙』の常連さんからの『まずは自分の色を出さずに、橙で学んだことに特化した方が良い』というアドバイスを受け止めました」とその理由を話します。
なにより鶏一本で勝負したいという上田さんの思いの表れでもあり、昼夜ともに同じメニューを提供しています。

お通し(350円)として提供された「胡麻鶏」を食べながら待つこと数分、水炊きの登場です。透き通った美しいスープにぶつ切り肉が入っています。スープがうっすら黄色を帯びているのは鶏の脂で、乳化していないことがわかります。
スタッフが最初から最後まですべての調理をしてくれるので、おまかせして待ちましょう。

最初はスープからいただきます。青ネギが入った器に熱々のスープを注ぎ、「どうぞ」と上田さん。一口飲むと、あっさりしていながらも旨味にあふれています。
「鳥千代」では朝引きの丸鶏を仕入れ、さばくところから水炊き作りがスタートします。ぶつ切り肉に使うモモ肉、スネ肉、唐揚げ用のムネ肉、手羽などに分けていき、最後に残るガラでスープを取っています。4〜5時間沸騰させないようにスープを炊くことで透き通った仕上がりとなり、素材が新鮮なため臭みも一切感じません。

次にぶつ切り肉を味わいます。モモ肉とスネ肉の2つの部位が入っており、特においしいと評判なのがスネ肉。プリプリとした食感で、雑味のもととなる部分は丁寧に処理するなど、手間暇を惜しみません。「鶏ガラから取ったスープでぶつ切り肉を炊くことで、鶏本来の自然な旨味をお楽しみいただけると思います」と上田さん。言葉通り、鶏の旨味をダイレクトに感じられます。口に入れると骨からホロリと肉が取れるので、とても食べやすいです。

ぶつ切り肉を食べ終わったあとはつくねです。もちろんこちらも自家製で、モモ肉、ムネ肉、手羽などに分けた際に出るさまざまな部位の肉を選別して混ぜ込んでいます。ミンチは粗挽きにしているため肉々しい食感が楽しめますし、タマネギの食感が良いアクセントになっています。
また、ポン酢も修業先で習ったレシピを忠実に守り、ベースとなるのは柑橘のダイダイ。爽やかな香りで箸が進みます。

つくねを炊く時は、しっかり強火にするのがポイントです。炊き込んでいくとスープも徐々に白濁してきました。
「グツグツと煮たぎるぐらいつくねを炊くと同時に、鍋の中でスープを乳化させるイメージです。飲んでいただくと味わいの変化がわかると思います」と上田さん。確かに最初にいただいたスープよりも格段に濃度が上がっています。つくねから出た旨味もあるのでしょうが、この味わいの変化には驚かされます。

次は野菜です。小松菜、キャベツ、ニンジン、エノキに加え、豆腐と葛きりも入ります。スープに野菜の甘みや旨味が染み出て、より濃厚な味わいに変わりました。ぶつ切り肉、つくね、野菜と3度おいしいスープを楽しめるのが、「橙」直伝の「鳥千代」の水炊きです。

シメの「雑炊」と「素麺」はどちらかを選ぶこともできますし、両方オーダーすることも可能。水炊きのシメとしては珍しい素麺はあらかじめやや固めに茹でておいた麺にスープをかけるだけ、雑炊はスープの中でご飯を煮て、最後に卵でとじます。中でも素麺は鶏白湯ラーメンのようなテイストで、とってもおいしい! 途中で自家製ニラ醤油を入れると、風味が増すほか味わいが締まり、味変になって良いですね。

唯一のサイドメニュー「唐揚げ」はムネ肉を使っているのですが、一口噛むと肉汁が染み出てくるほどジューシー! これも丸鶏からさばき、肉の鮮度管理を徹底しているからこそで、ムネ肉特有の濃い旨味を堪能することができます。

修業先の「橙」へのリスペクトを、まったく同じメニューを出すことで体現している「鳥千代」。屋号に込めた、“鳥一筋で永く愛される店に”というまっすぐな思いを感じられる注目の水炊き店です。

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店舗名

博多水炊き 鳥千代(店舗写真

ジャンル

  • 郷土料理

住所

福岡市中央区春吉2-16-3

電話番号

092-753-8201

営業時間

12:00〜入店14:00/18:00〜入店20:30

定休日

日曜

席数

  • テーブル20席

個室

なし

メニュー

水炊き1人前3,500円、唐揚げ1個150円、雑炊350円、素麺250円、【追加具材】肉ぶつ切り750円、鳥千代つくね600円、野菜盛合せ600円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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