路地裏の名店【11】

春吉の日本酒バーで今宵、一期一会の出会いを

公開日

ライター諫山力

カメラマン諫山力

春吉

日本酒バー 雲レ日(くもれび)

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那珂川に沿って伸びる春吉リバーサイド通りから少し入った細路地にひっそりとたたずむ「日本酒バー 雲レ日」。店前に植樹された木がスポットライトで照らされ、第一印象で「敷居が高いかも?」というイメージを持たれる方もいるかもしれません。

ただ、実際はそんなことはなく、「雲レ日」は日本酒ラバーから、普段日本酒を飲まない方まで、だれでもウェルカムなお店なんです。

ここがオープンしたのは2008年。福岡においては日本酒バーの先駆け的な存在で、開店時から変わらず、“日本酒との一期一会の出会い”を大切にしています。現在、店長として店を切り盛りする川島愛子さんは「当店の日本酒のラインナップは日々変わります。今日ご用意している銘柄でも、明日になればもうないということはよくあること」と話します。
そう、こちらのお店では常時用意しているといった固定の日本酒はほぼないのです。春夏秋冬、常にその日、その時だけの日本酒を準備し、瓶が空になれば、それで終売。次にそのお酒が「雲レ日」に届くのは1年後という銘柄ばかりです。

年間に扱う日本酒は、なんと1500種超。常時35種前後の日本酒をラインナップし、なかなか手に入らない希少な銘柄と出合えるのも同店の魅力の一つです。例えば、秋田県の新政酒造が実験的にスパークリングバージョンも造った「陽乃鳥 スパーク」、ラベルの色でフルーツのような味わいを表現した新潟県の「たかちよ しぼりたて生原酒」など、日本酒好きにはおなじみの人気酒がメニュー表に並ぶこともあります。

なにより日本全国からこれだけの数の日本酒を仕入れることができるのがすごいことだと感じます。聞けば福岡はもちろん関東、関西など全国の酒販店と取引があるそうで、しかもすべて必ず足を運んだことがある店のみとのこと。
「酒販店様とは仕入先と卸先という関係だけでは成り立たないというのが私たちの考え。お互いに顔を合わせて、どんな方がどんな思いを持ってお酒と関わっているのかを知る必要があり、さらに常日頃からコミュニケーションを密にとることも大切にしています。そして、実際に日本酒を造っている酒蔵にもできる限り足を運ぶようにしているのは、作り手さんの思いを肌で感じ取るため。私たちの使命は作り手さんの思い、日本酒の裏側に流れるストーリーをお客さまにお伝えすることですから」と川島さん。一年を通してさまざまな日本酒を楽しめるのは、こんな熱い思いがあるからこそなんですね。実際に蔵元や酒販店の店主などが来福に際して店に来ることも多いというエピソードもまた、作り手や酒販店との良好な関係性を築けている証だと感じました。

日本酒は1杯600円から。メニュー表から選んで注文すると、想像していたより小さなグラスで出てきました。聞けば、1杯の量を約90mlと半合ぐらいにあえてしているそう。その理由を「お酒があまり強くない方にも、さまざまな日本酒を飲んでいただきたいという思いから半合程度でお出ししています。そうやって、いろいろな銘柄をお試しいただく中でご自身の好みの味わいを見つけていただけたらうれしいです。また日々、日本酒を飲まれる方にも新しい発見をしていただきたいという思いもあります」と川島さん。
普段あまり日本酒をたしなまず、メニュー表の説明書きを見てもいまいちピンと来ないという方でももちろん大丈夫。いつも飲んでいるお酒、例えば好きなカクテルなどを伝えても、スタッフさんが、その日のメニューからおすすめを提案してくれますよ。

次は燗酒を注文してみました。出てきたのはステンレスのちろりと、熱々のお湯が入った磁器製の容器。それにお猪口が2つ、温度計も付いています。温度帯によって変化する味わいを体感してほしいと、客自身で燗をつけるスタイルで提供しているそうです。最初は常温で、2杯目はぬる燗、そして3杯目は熱燗といった風に自由に燗酒を楽しむことができます。温度計が準備されているのは、自分が好きな温度帯を確かめるため。ちなみに私は40度ぐらいのぬる燗が好みでした。新たな発見や体験を大切にしている同店ならではの楽しみ方ですね。

おつまみは「選べる3点盛り」(500円)を準備しています。黒豆とナッツの酒粕クリームチーズ、スモークオイルサーディン、船凍イカの塩辛、子持ちこんにゃく、有明の塩のりなど12種程度の酒肴を用意し、その中から好きな3品が選べます。どれを選んでも500円なのはうれしいですね。

私が来店した日もバースタイルながら席の予約が入るほど人気の同店。ここ数年で若い女性1人での来店も増えているというから、福岡に日本酒文化を浸透させた一軒と言っても過言ではなさそうです。

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店舗名

日本酒バー 雲レ日(くもれび)

ジャンル

  • バー
  • 日本酒

住所

福岡県福岡市中央区春吉3-15-3

電話番号

092-715-9032

営業時間

18:00〜OS翌2:30(水曜〜OS24:30)

定休日

なし

席数

  • カウンター10席

個室

なし

メニュー

チャージ500円、日本酒600円〜、本日の飲み比べ900円〜、酒蔵クラフトビール800円〜、日本酒ベースレモンサワー600円、日本酒ベース果実酒700円、選べる3点盛り500円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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