おでんの鯵つみれが泣かせるねぇ。博多駅地下の「食堂 加賀見」は大人のオアシス

公開日

ライター森絵里花

カメラマン森絵里花

博多駅

食堂 加賀見

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博多駅の地下には数多くの飲食店が軒を連ね、日夜賑わいをみせています。観光客も地元民も集い、ワイワイガヤガヤ楽しい雰囲気。だけど、たまにはしっぽり飲みたい……なんて日も、ありますよね? そんな方々に朗報です。博多駅の地下街に良い店、できましたよ!

博多駅 食堂加賀見 外観

やって来たのは、1月11日に開店した「食堂 加賀見」。渡辺通にある人気店で、私の大好きなお店の一つでもある「酒と蕎麦 まき野」の姉妹店です。新店舗のテーマは「自慢の出汁を生かした料理と日本酒を気軽に楽しめるお店」。10:00〜22:00までの通し営業で、昼飲みから晩酌、ランチタイムには定食も楽しめる、使い勝手の良い一軒となっています。

博多駅 食堂加賀見 外観

場所は地下鉄の博多改札口からすぐという、かなりの好立地。それと同時に地下は入り組んでいて穴場でもあるので、迷わないように道案内をしておきましょう。

JR博多駅から向かう場合は、博多口を出て「西10番出口」から地下へ下り、まっすぐ進んだ先。または、博多駅の対面に立つ「福岡センタービル」前にある「西11出口」から地下へ下りた先に「食堂 加賀見」はあります。隣にはマッサージサロン「てもみん」、斜め向かいには明太子の「ふくや 博多駅地下街店」があるので、こちらも目印に。博多地下街のフロアマップを参考にするとわかりやすいかもしれません。

博多駅 食堂加賀見 店内

そうして徳利とお猪口のさりげない看板を目印に中へ入ると……これは驚き。ここは本当に博多駅なのでしょうか? 表の喧騒がスッと遮断され、しっとりくつろげる和モダンな空間が広がっています。店主の牧野良弘さんが笑顔で迎えてくれました。

「ここには以前小料理屋さんがあり、その女将さんからこの場所を受け継いだことで2号店を出店することができました。店内はガラリと改装したものの、元々あった昔ながらの宮大工による天井や一本杉の梁は大切に残しています」と牧野さん。

博多駅 食堂加賀見 おでん

「食堂 加賀見」の名物は出汁のおいしさを存分に楽しめる「おでん」(1個130円〜)です。カツオや昆布の旨味が効いた『まき野』の“蕎麦のかえし”をベースに、鶏ガラ出汁を加えたおでんつゆは深みのある琥珀色。コクがありながらもあと口はあっさりとしていて、これだけでお酒が進みそう。

博多駅 食堂加賀見 おでん

おでんネタは17種類ほどあり、単品注文はもちろん、「おまかせ盛り合わせ」(3種または5種550円〜)でその日のおすすめをちょっぴりお得に味わうこともできます。大根、極太ごぼう天、糸こんにゃく、厚揚げと、どれも味が染みていて美味。

中でも、ゴロンとまん丸な「鯵のつみれ」(1個440円)は絶対にハズせません。こちらは柳橋連合市場の鮮魚店「船津商店」から仕入れる新鮮なアジに山芋、たっぷりの生姜などを加えて練った自家製。ふわっほろっと解ける食感、出汁とアジの旨味が相まって、こりゃ泣かせる旨さだねぇ。

博多駅 食堂加賀見 おでん

そして実は、このつみれと店名には、牧野さんが学生時代にアルバイトをしていた「加賀見」の思い出が詰まっていました。「加賀見」は、かつての西鉄福岡駅ビル(のちのソラリアステージ)地下のレストラン街「味のタウン」で長らく愛されていたおでんが名物の食堂酒場。おでんを名物にしたいと決めた時、惜しまれつつ閉店した「加賀見」の名前を受け継がせてもらえないかと、大将に相談して快諾いただいたのだとか。

「『加賀見』のつみれはイワシを使っていて、当時の仕入れ先を教えてもらったところ、なんと僕が普段からお世話になっている『船津商店』で、担当者まで同じ方だったんです。現在、良いイワシを安定して仕入れるのは難しいため、ここはアジで勝負することにしました」と牧野さんは話します。

博多駅 食堂加賀見 おでん

牧野さんの話に耳を傾けていると、こんなものも登場しました。「おまかせ盛り合わせ」を注文した方にサービスしているという「おでん用の味噌」です。『まき野』の「蕎麦味噌」の味噌をベースに青唐辛子を合わせてあり、これがまたうまいのなんのって! 「鯵のつみれ」や「特製牛すじ」といった主張が強いネタは、つゆの味が濁らないよう別炊きするなど、細やかな仕事もさすがの一言です。

博多駅 食堂加賀見 料理
博多駅 食堂加賀見 料理

もちろん、おでん以外の一品もしっかりと充実していますよ。
定番人気は、舌にしっとりと寄り添う「生本マグロの刺身」。食べ方は漬け・山かけ・ニラ醤油の3通りから選べ、私は「ニラ醤油」(1,320円・写真左)をチョイス。旬の食材を使ったおつまみは都度内容が変わり、この日は「極太アスパラと菊芋の唐墨掛け」(880円)をいただきました。いうまでもなく、日本酒が進みます〜。

博多駅 食堂加賀見 日本酒

日本酒は常時10〜15種類ほどが揃い、ラインナップは季節や仕入れによって随時変わります。グラス(100ml)550円〜・小(150ml)825円〜・大(300ml)1,650円〜と、3サイズ用意されているのも嬉しい限り。

日本酒のセレクトが良いことに加え、「サッポロ赤星」「アサヒスーパードライ」「キリンハートランド」「エビスプレミアムブラック」と瓶ビールが4種類用意されているところにもグッときました。

11:30〜15:00は定食も登場!

博多駅 食堂加賀見 定食

また、もう一つ博多駅エリアで働く方々に朗報が! 11:30〜15:00のランチタイムには、定食も提供しています。定食はすべてご飯、味噌汁、小鉢、サラダ付きで、私は「阿蘇自然豚生姜焼き+おでん2種」(1,280円)をいただきました。

阿蘇自然豚は焼き込まないのがポイントだそうで、くどさのない脂身の甘味と柔らかな肉質が格別。『まき野』のそばつゆをベースにしているというタレがまたおいしいんですよねぇ。

博多駅 食堂加賀見 定食

ピーマンをサッと素揚げしていたり、小鉢が『まき野』とは違うほんのり甘い玉子焼きだったり(『まき野』はだし巻き)と、“好きポイント”を挙げればキリがなく……。とにかく「ニクイことするなぁ、わかってるなぁ」の連続だったので、近いうちに再訪したいです。

「落ち着いたら、朝食も始めたいなぁ」とのことで、まだまだ進化する予感! 博多のコンクリートジャングルを生き抜く紳士淑女のみなさま、しっぽりしたい時はぜひ、大人のオアシス「食堂 加賀見」へ。沁みる酒にしみじみうまいおでん、定食が待っています。

店舗名

食堂 加賀見(店舗写真

ジャンル

  • 居酒屋
  • 定食・食堂
  • 日本酒

住所

福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1−1 食堂 加賀見(地下)

電話番号

080-9105-3507

営業時間

10:00〜OS21:30(ランチ11:30〜15:00)

定休日

火曜

席数

  • カウンター8席
  • テーブル7席

個室

なし

メニュー

おでん1個130円〜、生本マグロ ニラ醤油1,320円、牛すじのスープで煮込んだカレーライス1,280円、【11:30〜15:00限定】阿蘇自然豚生姜焼き+おでん2種 1,280円、日本酒グラス550円〜 ※15:00以降はワンドリンク制・お通し500円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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