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ライター升谷知夫
カメラマン升谷知夫
升谷知夫
福岡のガラケーならぬ、ガラ麺ブロガー。「への」のアカウントでブログというシステムが始まる前から日記サイトで麺日記を発信し続けて20年以上。最近はSNSで福岡の居酒屋やスイーツ、家飲みのアテや山で食べる麺など、福岡喰いしん坊情報も発信中。Instagram:henoheno_noodles
ワンタン麺が好きだ。特に冬に食べるワンタン麺がたまらなく好きだ。寒空の下、店に着くと、麺を茹でる釜から濛々と立ち上る湯気。釜近くのカウンター席が特等席、凍てついた身を緩めつつ待つことしばし、ワンタン麺が供される。
ラーメンなら先ずスープを飲むが、ワンタン麺は、やはりワンタン。スープと共にレンゲで掬えば、つるりと唇を擽り、ジュワッと広がる温かな旨み。途中、麺と交互に啜り食味のコントラストも楽しみつつゆるゆる啜れば、体も心もぽっかぽか。
博多区中洲の「博多荘」は、博多ラーメン老舗の一軒。戦後に職を失った井上清左衛門さんが、当時は中洲で営業していた中華料理店「福新楼」の二代目・張兆順さんからラーメン作りを教わり、昭和21年に開業した。
当時からの人気メニューである「元祖ワンタンメン」。ワンタンの具は豚ミンチとネギのみ。味付けも醤油、塩、胡椒のみと至ってシンプル。肉肉しいワンタンのアンのうま味が、あっさりとしたスープの味わいの輪郭をくっきりと描き出す。考案したのは料理上手だった創業者の妻タマヨさんとの事だが、もしかするとワンタン作りにも福新楼の助言があったのだろうか?
平成17年12月、早良区飯倉に「黄金の福ワンタンまくり(現 中華麺キッチンまくり)」が開業した。私はこの店により、ワンタン麺にどっぷりハマっていった。当時の福岡市は「ラーメン=豚骨ラーメン」、営業するラーメン店のほとんどが白濁豚骨スープに細麺の豚骨ラーメン専門店だったが、黄金の福ワンタンまくり(現 中華麺キッチンまくり)は、中華料理をベースに具やスープを調理したラーメンが20〜30種も楽しめる中華麺の専門店。
ワンタン麺のワンタンは肉と海老、スープは醤油と塩から選択してオーダーできるが、我が推しは当時から変わることなく「エビ福ワンタン麺 (現 エビワンタン麺)」の塩。
一片の曇りもない黄金色に澄み切ったスープがナンとも美しい。一啜りすれば、鶏ガラスープの柔らかな旨味に、スープの表面を飾る鶏油の豊かな風味。そして、「しゃくりっ」と歯切れの良い麺と、ツルツル食感のワンタンと、プリプリ踊るエビとの、食感と味わいのハーモニー。そして更に、エビのだしが鶏ガラスープと合わさることで、スープに新たな美味しさが顔を出す。
平成後期から令和にかけて、豚骨王国だった福岡のラーメン事情が様変わり。新規オープンするラーメン店は、醤油や塩、味噌、煮干しなど、豚骨ラーメンではない店が増えている。そしてワンタン麺も色んなタイプが楽しめるようになったが、ワンタン麺の味の要はやはりワンタン、皮の使い方が味に及ぼす役割が大きい。
まず、ワンタンをあたかも点心の一品料理のように楽しめる「茶巾絞りタイプ」。博多区祇園町「うま馬」や、博多区博多駅南「住吉亭」、南区西長住「清陽軒本店」など、古くから営業している豚骨ラーメン店に多く見かけるタイプで、アン多めで皮厚め&大きめ。多めのアンを皮の中央に置き、アンが溢れぬように、皮を茶巾絞りにして閉じる。そのままでも勿論美味いが、卓上の替え玉用のタレをかけて食べれば、単品料理感が増す。
うま馬
そして東区箱崎の「絶好鳥」の「鶏ワンタン麺」は、ボリュームあるワンタンを一品料理のように食べられる「縦折りタイプ」。鶏ミンチに鶏軟骨を加えた鶏つくね風のアンを、風味と食感に富んだ全粒粉で打った厚め&大きめな皮で包む。具が外へこぼれないよう、正方形の皮を縦折りしたのち、餃子のように皮の縁を水で接着する。
絶好鳥
そして、最後は生地薄め&大きめの皮を使い、ワンタンをラーメンスープと一体に感じて楽しむ「トゥルントゥルン・タイプ」。中央区大名「赤のれん」や南区大橋「博多玉」がこれにあたる。スープを豊かに絡めとりつつ口へとおさまり、トゥルントゥルンと踊る食味がなんとも楽し旨しな、私好みのタイプだ。
元祖 赤のれん 節ちゃんラーメン
春日市の味噌ラーメン専門店「博多文福」も「トゥルントゥルン・タイプ」。味噌は中華鍋で調理せず、ドンブリに置き熱いスープで溶くことで、発酵風味など味噌本来の味わいが生きる。そのスープの美味しさを、生地薄め&大きめのワンタン皮で存分に楽しめる。具も、豚肉に、玉ねぎ、ネギ、タケノコと野菜をたっぷり加えて軽めの食感だし、調味に味噌も加えてあるため、スープとの一体感が嬉しい。
店それぞれに、個性豊かなワンタン麺。さぁて今日は、どの店のワンタン麺を啜ろうか…。
博多文福
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