家ではちょっとやらないお店ならではのあったか鍋5選【1】

締めの蕎麦まで絶品。「鬼平」の世界に誘う具沢山の軍鶏鍋を!

公開日

最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン葉山巧

春吉五鉄

渡辺通

春吉 五鉄

  • LINE
春吉五鉄

店名を見た途端、「これは!」と反応した人もいるのでは? 「五鉄」とは、時代小説の巨匠・池波正太郎氏の「鬼平犯科帳」に登場する軍鶏鍋屋。主人公の鬼平こと長谷川平蔵は、ここでお抱えの隠密たちと密談や情報交換をするのです──絶品の軍鶏鍋をハフハフと頬張りながら。そう、「五鉄」の名はこれにちなんだものであり、同店の看板料理も鬼平たちが愛したあの鍋なのです。軒先の提灯にも“軍鶏鍋”の三文字が誇らしげに揺れていました。

春吉五鉄

春吉 五鉄」のルーツは、池波作品をこよなく愛する神鳥芳憲さんが営む六本松の「五鉄」で、ここは弟の神鳥伸也さんが独立して構えたもう一つの「五鉄」です。嬉しいことに両店のメニューは共通しており、つまりは料理に期待して間違いないということ! 何を隠そう僕もその味に惚れこみ、長年六本松店を贔屓にするファンなのでした。

春吉五鉄

メニューは刺身から煮・焼・揚物まで多種多彩。質の良い食材をシンプルに仕上げ、旨味の弾けそうな料理ばかりが揃います。六本松でもそうでしたが、これがなんとも悩ましい……。実は軍鶏鍋が気になりつつも、まだ食べたことがないのは途中で“寄り道”しすぎるせいなのです。「どの世代の方にも好きなものを食べて欲しいから、この品数で頑張ってます」と笑顔で応える神鳥さん。「誰もが気軽に楽しめるのが居酒屋の良さですからね」

春吉五鉄

人気料理3種を集めた「炙り盛り」(1980円)も、僕の好きな“寄り道”の一つです。プリップリな鮮度の対馬産穴子、脂が乗りまくった九州産地鶏、ニンニクの香りが鮮烈な北海道産生ダコと、臨場感ある素材が皿の上にドン! もちろん今宵もたっぷり堪能しました。「春吉 五鉄」って、こんな「罠」だらけだからホントに困ります(笑)。

そして真打登場! 鬼平リスペクトの「博多軍鶏鍋」です(1人前1,800円。写真は2人前)。すでに火が通った状態の鍋には、鹿児島産の軍鶏、和牛ホルモン、つくね、ゴボウ、ニンジン、白菜、キノコ、水菜、マロニー、豆腐などがどっさり盛られ、スタミナ料理の趣さえ感じます。
そういえば福岡では軍鶏鍋をあまり見ませんが、神鳥さんいわく「仕入れ値が高い軍鶏は、肉質も固めで店側が扱いにくいのでしょう」。なるほど、確かに軍鶏には手強い鶏肉というイメージがあります。が、それもここの軍鶏を口にするまで。食べた瞬間、長年の思い込みはあっさりと覆されるのでした。

春吉五鉄

快く跳ね返ってくる絶妙な弾力、噛むほどに増していく味わい。「五鉄」の軍鶏には、そんな鶏マニアをも唸らすパワーがあります。うまさの秘訣は、切り目を入れた軍鶏に片栗粉を塗り、事前にお湯にくぐらせること。すると周囲についた衣が出汁を吸って、味が浸透しやすくなるそうです。
軍鶏の軟骨つくねがカレー風味なのには驚きましたが、食事を飽きさせない味変効果でファインプレーを連発。出汁の方も時間が経つと、ホルモンの脂でまろやかな甘みが増した滋味満点のスープに変わっていました。

春吉五鉄

この出汁を余さず楽しむには「〆めそば」(1人前330円。写真も)が必須。実はこの出汁、蕎麦つゆのように返しを作って鰹出汁で延ばすそうで、となれば蕎麦に合わないわけがありません。コクと深みを得た出汁で、ズズッとたぐる蕎麦の旨さは我を忘れるような味。麺好きならずとも破顔すること確実です。

春吉五鉄

ふと壁に目をやると、「鬼平犯科帳」の一節を記した額縁が。なんだか小説の世界に迷いこんだ感覚で、読書家や時代劇ファンが〈リトル・江戸〉を擬似体験できるのもこの鍋ならではの醍醐味かもしれませんね。
「博多軍鶏鍋」は1人前から注文できます。もう一つの名物「土鍋鯛めし」を含むコースも人気ですよ(2,500円、3,500円)。

店舗名

春吉 五鉄

ジャンル

  • 居酒屋

住所

福岡市中央区渡辺通1-8-35 柳原商会ビル1F

電話番号

092-771-7020

営業時間

17:00~OS24:00

定休日

火曜

座席

  • カウンター6席
  • テーブル8席
  • 掘りごたつ14席

個室

なし

メニュー

刺盛(2人前)1,870円、土鍋鯛めし990円・1980円、土鍋炊きスープ餃子1,650円、糸島産豚ロース味噌焼858円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

人気記事ランキング

  • 24時間
  • 1週間
  • 1ヶ月