グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第7回】

孤高のレストランが描きだす、イノベーティブなグルメ体験

公開日

最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン平川雄一朗

トアヒス

大手門

TTOAHISU(トアヒス)

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2016年、その店は彗星のごとく現れました。フレンチをベースとしながら、その枠に収まらぬ斬新な料理でグルマンを虜にした「TTOAHISU(トアヒス)」です。その後もミシュランで一ツ星を獲得するなど順風満帆。そんな注目店のイノベーティブ路線が、近頃ますます進化していると聞きました。

トアヒス

好奇心に導かれ、さっそく訪れた大手門。端正なエントランスには和食店のような暖簾が掛けられ、早くも無国籍感を放っています。そのミスマッチは「平凡な店にあらず」を宣言しているようで、どこかワクワクする予感がありました。

トアヒス

店内はスタイリッシュなモノトーン調。凛とした空気ですが、壁に描かれた福岡城や飾ったフィギュアなどの“なごみ要素”がそこへ親密さを加えます。その絶妙なバランスが心地よく、こちらもリラックスして着席するのでした。

トアヒス

その厨房には、脇目もふらず仕事に没頭する山下泰史さんの姿が。30歳で「Made in Japanのフレンチ」を掲げた「TTOAHISU」を開き、短期間で予約困難店にした辣腕のオーナーシェフです。「ジョエル・ロブション」などの実力店で研鑽し、25歳のときにはイタリアンの名店「アロマクラシコ」の料理長を任されました。
独立後は持ち前の創作欲に拍車がかかり、いつしか料理も「フレンチ」から「イノベーティブ」に進化。極上の素材とイマジネーションが生む革新の料理は、日々客たちの期待を超え続けています。

トアヒス

そんな高揚を秘めた全10品のディナーは、スペシャリテのコンソメスープからスタート。1日目に地鶏でブイヨンを引き、2日目に和牛・黒豚・焼きアゴ・季節の野菜を加えて澄ませた贅沢極まる「ダブルコンソメ」です。熱い液体を口に含むと、凝縮感あふれる滋味が柔らかく拡散。気品ある野生味が舌と鼻腔を包み、そこから続く余韻は永遠とも思われました。

トアヒス

1週間寝かせた五島産のサワラは軽く炙って提供。香ばしくもねっとりした歯触りはヤミツキ級の悦楽でした。木柚子のピューレや、底に敷いたカブと昆布のマリネ、金箔入りの京七味が醸しだす爽快さも印象的。計算され尽くした取り合わせの妙を感じます。

トアヒス

続いては太刀魚、セリ、北海道産ゴボウを浮かべた椀ものです。魚の骨で取った後、三つ葉の香りを移したスープの風味が実に上品。疲れた心も軽くなる、ホッとするような安らぎがたゆたっていました。

トアヒス

そんな和食路線の後だけに、トムヤムクンの登場は予想外! なのにコースの流れはとても自然で、そのことに二度驚かされました。スープは辛さの中にもまろやかさが漂い、昆布出汁で下処理した白子や、山口の原木椎茸といった具材も旨みたっぷりです。

トアヒス

その味や量に加え、火入れの完璧さに感動したのが肉料理です。繊細な肉質の北海道産ワインラムをオーブンで焼くこと約2時間。その間に“高温で焼き、休ませる”を何度も繰り返し、まとわせた弾力は実に官能的でした。

またこの逸品は、温度を大切にする山下さんのポリシーを象徴する料理でもあります。「どんな料理にも一番美味しい温度があると思います。でもその臨場感は、調理の手数が増えるほど失われる。だから僕は料理に意味のある素材だけを選び、極力無駄を削ぎ落とすのです」
“革新的”というと過剰な派手さを連想しがちですが、「TTOAHISU」の料理はシンプルゆえに美しく、力強いうまさを持つものばかり。その理由が、この一言で分かった気がしました。

トアヒス

それと同じ理由から、3品用意されるデザートも盛り合わせではなく1皿ずつ出されます。これはカリッと焼きたてのアーモンド生地に、冷たいヘーゼルナッツクリームを詰めたもの。温冷や食感のコントラストはもちろん、ふくよかな甘みが秀逸でした。

トアヒス

古今東西の料理エッセンスを、緻密な構成、自在な発想、練達の技法で描きだす山下さん。そのコースには、間違いなく初めて出逢う面白さがあります。それを支えるのは、早朝から深夜まで厨房に立ち、常に新たな料理を模索する情熱に他なりません。
「作りたいものは日々変わりますし、去年の料理はもう覚えていません(笑)。誰も手掛けていない料理を作る達成感と、それをお客様に楽しんでいただくこと。それが僕らの原動力です」

決して歩みを止めない孤高のレストラン。そのゴールは何だろうと尋ねたら、山下さんが一つの答えをくれました。「近々、障害を持つ人たちと一緒に働けるデザートショップを開くんです。個人の能力に合った仕事をしてもらい、きちんと対価を支払って、自立できる仕組みを作りたいと思っていて」
そういえば壁の絵も、障害のあるアーティストの集団「アトリエブラヴォ」の作品でした。「目標は『障害がある人を支えたくて行く』のじゃなく、『美味しくてかっこいいから行こう』と選ばれる店づくり。長年の夢なので、絶対成功させたいですね」

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名

TTOAHISU(トアヒス)

ジャンル

  • レストラン

住所

福岡市中央区大手門3-12-12BLDG64 1F

電話番号

092-733-4600

営業時間

12:00一斉スタート/18:00一斉スタート

定休日

火曜

席数

  • テーブル14席

個室

なし

メニュー

ランチコース7,700円、ディナーコース14,850円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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