グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第19回】

旬食材の饗宴に酔いしれる、博多駅の<九州ガストロノミー>

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最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン平川雄一朗

メルヴェイユアイキャッチ

博多駅

Au goût du jour merveille HAKATA(オーグードゥジュール メルヴェイユ博多)

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連日賑わいを見せるJR博多シティの「くうてん」。11年目を迎えテナントの顔ぶれに変化もありましたが、いまも開業時から看板を守る最古参の一軒が「メルヴェイユ博多」です。

メルヴェイユ

東京の人気フレンチが九州初上陸、との触れ込みでオープン前から注目されたレストラン。初代シェフの白水鉄平さん(現「ローブランシュ」店主)と、前衛芸術を思わせる料理で魅了した2代目シェフ・小岸明寛さんという秀れた職人の手で、その誇らしい歴史は築かれました。
そして昨年7月、辻 光さんが3代目シェフに就任した瞬間、この人気店に新風が吹きこみます。“第3期”の「メルヴェイユ博多」は一体どんな景色を見せてくれるのか? それを確かめるべく、久々に予約を入れてみました。洗練されつつ肩の凝らない店内は、相変わらず心地よい雰囲気。場所柄、県外の観光客・ビジネス客が目立ちますが、2ヵ月前後で更新される新メニューを楽しみに来る常連も多いそうです。

メルヴェイユ

この日頼んだのは9,300円のコースで、アミューズは鶏レバームースとほうじ茶のマカロン。シェフの定番とあってさすがの完成度でしたが、その余韻をさらに倍増させたのがこのオードブルです。軽くグリルした宮崎産初ガツオに、ラビゴットソース、ミョウガのピクルスの泡、血合いのパウダーなどが極上の香気と酸味を与える一皿。とくに鰹節や鮎魚醤などを加えたラビゴットソースが絶品で、和の雅びが漂う“西欧風カツオのたたき”を堪能させてくれました。

メルヴェイユ

第2のオードブルは、フォアグラテリーヌのキャラメリゼ。そこへ抹茶のガナッシュ、イチゴのグレナデンシロップ和え、カリカリに乾燥させた抹茶シフォンケーキを乗せ、さらに抹茶を練り込んだ求肥と抹茶パウダーで覆ってあります。一見すると綺麗なデザートですが、苦味と甘みの絶妙な調和は柔らかなインパクトに満ち、そこから広がる複雑な妙味には笑みがこぼれっ放し。精緻な仕事を散りばめながら、食材の力強さは損なわない……そんな覚悟を感じる2品でした。

メルヴェイユ

「フーディから実家の祖母まで、いろんな方に喜んでもらえる“分かりやすく、誰にでも近い料理”を目指しています」と辻さん。「ほぼ手を加えない食材をドンと並べ、最高の満足が得られる料理が理想ですね。シンプルさを極めるほど、人の本能にもっとも響く究極の料理になると思うんです」。先代シェフとは真逆と言えるコンセプトですが、その言葉には心を惹かれる響きがありました。

そして目標がもう一つ。いまこの瞬間、九州・博多でしか味わえない料理を提供することです。そのため各県から必ず一つは食材を取り寄せ、コースの中で九州一周を楽しめるよう組み立てるのだとか。
「僕は和の素材も使いますし、イタリア料理もやっていたのでフレンチの枠にはこだわりません。実際この店では<イノベーティブ>を掲げていますしね。今後も西洋の古典技法をベースに、僕にしかできないガストロノミーを提供するつもりです」。

メルヴェイユ

凛々しい魚料理もまた、食材の魅力が余さず引き出されています。今日は長崎産アラのポワレで、水分と脂を的確に残した身質は申し分がありません。表面を虹のように輝かせる火入れ(キュイソンナクレ)も、ベストな状態になるまで熟成させる目利きも、辻さんの確かな技術をしっかり裏付けていました。
また、抜群に風味が良いスープ・ド・ポワソン風のソースも秀逸。アラの骨とペルノーなどに高級香辛料のサフランを惜しみなく使った贅沢品です。なおサフランは辻さんの故郷・遠賀郡岡垣町で作っている親戚からたっぷり貰ったものだそう。

艶っぽくプルンと揺れる赤身肉は、1週間寝かせた熊本産あか牛のイチボ。200℃のオーブンで焼いて休ませを繰り返した労作です。完璧な繊維質に昇華した弾力はもちろん、微量の塩で格段に甘くなるあか牛のうまさは原初的な肉食の快楽そのもので、しばし陶酔に言葉を失ってしまいました。

メルヴェイユ
メルヴェイユ

大満足のメインが終わり、あとはデザート、プティフール、ドリンクを残すのみ。デザートは2皿構成で、最初がパッションフルーツのソースを添えたメロンのソルベ。2皿目がココナッツのブランマンジェ、パイナップルのアイス、バジルのグラニテです。
「料理は1品ごとに全力投球するので、デザートはさっぱりめの氷菓にしました」。その言葉どおり、この日のコースから終始伝わったのは紛れもなく料理に賭ける辻さんの熱量。「何より大切なのは食育。近々お子様連れ限定のディナータイムを開きたいですね」との言葉も印象的で、レストランや食の力を信じる辻さんの素顔に触れた思いでした。“第3期”の「メルヴェイユ博多」も、やはり目を離せそうにありません。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

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店舗名

Au goût du jour merveille HAKATA(オーグードゥジュール メルヴェイユ 博多)

ジャンル

  • フランス料理
  • レストラン

住所

福岡市博多区博多駅中央街1-1 JR博多シティ シティダイニングくうてん9F

電話番号

092-413-5301

営業時間

11:00~OS13:30/18:00~OS20:30

定休日

施設に準ずる

席数

  • テーブル18席

個室

なし

メニュー

ランチコース3,900円・6,800円、ディナーコース6,800円・9,300円・13,800円
※夜のみサービス料10%

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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